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AI活用・Tips

Google Workspaceを活かしきれていない企業が、今日から始められるGemini活用5選

Google Workspaceを活かしきれていない企業が、今日から始められるGemini活用5選

「AIをそろそろ業務に取り入れたい」——そう考えている中小企業の担当者の方は多いのではないでしょうか。一方で、ツールの選定や契約、社内承認といったハードルの前で立ち止まっている、というのも現実です。

ところが、すでにGoogle Workspaceを導入している企業であれば、その手前の工程をすべて省略できます。GmailやGoogle Meet、ドキュメント、スプレッドシート、ドライブの中に、Googleが提供するAIアシスタント「Gemini」がすでに統合されているからです。

本記事では、Google Workspaceの中に組み込まれたGeminiを活用して、明日から業務を変えられる5つの具体的なシーンを紹介します。

1. 中小企業のAI導入は、なぜ進まないのか

各種調査によれば、全社的にAIを導入している中小企業はわずか5%前後にとどまっています。多くの企業が抱える課題は「何から始めればよいかわからない」「専任のIT人材がいない」「投資対効果が見えない」というものです。

特に従業員20名以下の組織では、「最初の一歩」のハードルが極めて高く、結果として検討段階のまま時間だけが経過してしまうケースが少なくありません。

しかし、Google Workspaceを既に導入している企業の場合、状況は大きく異なります。追加コストや新規ツールの導入なしに、AIを業務に組み込める環境が整っているからです。問題は「環境がない」ことではなく、「使い方を知らない」ことにあります。

2. Geminiで今日から変えられる業務シーン5つ

2-1. メール作成の負担を軽減する(Gmail)

Gmailのメール作成画面のツールバーに表示される「文書作成サポート(Alt+H)」機能では、件名や本文の内容をもとにした下書きをGeminiが生成します。たとえば次のような場面で効果を発揮します。

  • 取引先からの納期延長依頼への受諾返信:取引継続の姿勢を示しつつ、新スケジュールの確認を促す文面
  • 採用応募者へのお断りメール:相手への配慮と今後の活躍を願う表現を備えた定型文
  • 請求書送付時の挨拶文:時候の挨拶+送付内容の案内+入金確認のお願い

具体的な指示文の例:

「取引先A社からの納期2週間延長の依頼を受諾する内容で、今後の協力姿勢を示しつつ、新スケジュールの確認を促す文面を作成してください」

このように業務の文脈を伝えるだけで、敬語表現を含む叩き台が即座に出力されます。生成された文面はそのまま送るのではなく、自社のトーンや固有名詞を整えて使うのが現実的です。

  • Before:白紙のメール画面で書き出しに悩み、敬語や言い回しを調整しながら文面を組み立てる
  • After:叩き台が出てから推敲のみで送信可能になり、書き出しの心理的負担が解消される

2-2. 議事録作成業務をゼロに近づける(Google Meet)

Google Meetには、会議内容を自動で文字起こしし、要点・決定事項・タスクを整理する議事録機能が搭載されています。週次の営業会議、月次の経営会議、社外との打ち合わせなど、これまで担当者が会議後に清書していた工程がほぼ不要になります。

出力される議事録は、たとえば次のように整理されます。

  • 決定事項:「◯◯社向け提案書を来週金曜までに送付する」
  • ToDo:「田中さんが取引先Bに見積依頼(期限:今週金曜)」「鈴木さんが新サービス資料を更新」
  • 論点:「価格改定の幅について、次回までに各部門から意見を集める」

「誰が・何を・いつまでに」が自動で抽出されるため、会議後にメモを起こし直す必要がありません。

ある自治体の事例では、会議の文字起こし作業のAI化により議事録作成の作業時間を40%削減した、という報告もあります。中小企業の会議運営においても、同等以上の効率化が期待できます。

  • Before:会議終了後、担当者が録音を聞き返しながら議事録を清書し関係者に共有
  • After:会議終了と同時にドラフトが完成、誤字確認のみで共有可能になる

2-3. 文書作成の初動を高速化する(Google ドキュメント)

Google ドキュメントでは、「ファイル→新規作成→作成サポート」から、提案書・案内文・報告書の下書きをGeminiに生成させることができます。中小企業で発生しがちな「初めての取引先への提案書」「年末年始休業のお知らせ文」「社内向けの新ルール周知文」のように、型はあるが毎回ゼロから書き起こしている文書で特に効果を発揮します。

たとえば次のような指示を入力します。

「飲食業の中小企業向けにPOSレジ導入を提案する企画書のたたき台を作成してください。導入メリット3点と概算費用感を含めて、800字程度でお願いします」

すると「拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます…」のような型通りの定型文に加え、本論の骨子(背景・課題・提案内容・導入効果)が即座に揃います。

文章作成における最大の負荷は「最初の一文を書き始めること」にあります。ゼロから書く工程をスキップし、編集・推敲に集中できる環境は、文書作成業務の生産性を大きく改善します。

  • Before:白紙の状態から構成を考え、定型表現を思い出しながら執筆
  • After:骨子が即座に揃い、自社の固有事情に合わせた推敲・編集に集中できる

2-4. 数式作成のハードルを下げる(Google スプレッドシート)

Google スプレッドシートでは、自然言語で指示するだけで数式を提案する機能が利用できます。「営業担当者ごとの月次売上集計」「商品カテゴリ別の在庫数算出」「特定取引先への支払額合計」のような、関数に不慣れな担当者がつまずきがちな集計業務で威力を発揮します。

たとえば次のような指示を入力します。

「A列の取引先名が『株式会社A商事』の行について、D列の金額を合計したい」

すると =SUMIF(A:A,"株式会社A商事",D:D) のような数式が自動で生成されます。複数条件であれば SUMIFS、別シートからの参照であれば VLOOKUP や XLOOKUP の構文を提案します。

中小企業では「関数に強い◯◯さんが休むと、特定の集計業務が止まる」という属人化が起こりがちです。Geminiの活用により、数式設計の民主化が進み、誰もが必要な集計をその場で完結できるようになります。

  • Before:関数に詳しい担当者にチャットで質問し、返信を待ってから作業再開
  • After:担当者本人がその場で数式を組み立て、業務を止めずに完結できる

2-5. 社内ドキュメントの活用度を高める(Google ドライブ)

Google ドライブのAI検索は、ファイル名だけでなくファイルの中身まで読み取って検索結果を返します。「3年前のあの会社向けに作った提案書、誰のどのフォルダだっけ?」「過去の見積書のフォーマット、最新版はどれ?」といった、中小企業の現場で日常的に発生する“探し物”を解消します。

たとえば次のような検索が可能になります。

  • 「2024年に作成した、製造業向けのDX提案書」
  • 「先月送った請求書のうち、未入金のもの」
  • 「◯◯部長が共有した、新人研修の資料」

フォルダ階層を全社で統一できている中小企業はむしろ少数派で、「整理されていないから探せない/探すぐらいなら作り直す」という非効率が起きがちです。AI検索は、整理が追いついていない現状を前提に過去資産を引き出せる点で、現実的な解決策となります。

  • Before:複数のフォルダを開いて該当ファイルを探し、見つからずに新規作成し直してしまうことも
  • After:自然文での検索で過去資産にすぐ到達でき、過去の知見を再利用できる

3. 「すべてAI」ではなく、「何をAIに任せるか」を選ぶ

Geminiの活用シーンを見ると、「すべての業務をAIで自動化すればよいのでは」と考えたくなるかもしれません。しかし実際には、AIが得意な領域と、シンプルなプログラムで十分に対応できる領域は異なります。

ここで登場するのが GAS(Google Apps Script) です。GASとは、Google Workspaceに標準搭載されたプログラミング環境で、追加費用なしに利用できます。「毎朝9時にスプレッドシートの集計を自動実行してメールで送る」「フォームに回答があったら担当者にSlack通知を飛ばす」といった、ルールが決まった繰り返し作業の自動化が得意です。AIのように「考える」ことはしませんが、決めた通りに確実・高速に動作するため、定型処理には最適な手段です。

業務の性質

適した手段

具体例

理由

毎日同じ条件で繰り返す定型処理

GAS

日次の売上CSVを集計しSlackに通知/月初の請求書を一括生成/フォーム回答を自動でスプレッドシートに転記

低コスト・確実・ミスが起きない

文脈や内容に応じた判断・生成

Gemini(AI)

問い合わせメールの一次返信ドラフト/会議議事録の要約/提案書の構成案作成

都度違う対応が必要な業務に適している

既存ツールで完結できる単純作業

担当者の運用ルール改善

フォルダ命名規則の統一/スプレッドシートのテンプレ整備/チェックリスト運用

AI・GAS不要で解決する場合もある

「何でもAIで」ではなく「何をAIに任せ、何を別の手段で解決するか」を見極めることが、コストを抑えて成果を出す近道です。AI導入で失敗する企業の多くは、この見極めの段階を飛ばしています。

4. 環境はある。次に必要なのは「設計」

Google Workspaceを導入している企業は、AI活用のスタートラインにすでに立っています。残されているのは「自社のどの業務に、どのように適用するか」という設計の問題です。

しかし、現場の業務に追われる中で、AI活用の設計にじっくり時間を割くのは容易ではありません。情報収集、検証、社内展開、効果測定——どこから手をつけるかの判断自体に専門知識を要するため、結果として導入が先送りになってしまう企業も少なくありません。

5. 「AIとなりの相談役」のご案内

キャンパスクラブクリエイティブでは、Google Workspaceを導入済みの中小企業・団体を対象に、業務改善のための月額制相談サービス「AIとなりの相談役」を運営しています。AIを使うこと自体が目的ではなく、業務改善という本来のゴールに向けて、AI・GAS・運用改善などの手段を適材適所で組み合わせることを大切にしています。

項目

内容

月額

30,000円(税別)

月次面談

月1回・60分(オンライン)

チャット相談

業務時間内・随時対応

構築支援

簡易なツール・自動化スクリプトの制作

顧問税理士・顧問弁護士のように、「気軽に相談できるAIの専門家」として、業務改善の方向性整理から、必要に応じたツール構築・運用支援までを一貫してサポートいたします。

特定のツールを売り込むサービスではありません。「AIで解決すべき業務」と「GASで十分な業務」「社内運用で完結できる業務」を整理し、貴社の自走を支える設計を心がけています。

なお、Google Workspaceの新規導入・プラン変更もサポート可能です。キャンパスクラブクリエイティブを通じてご契約いただくことで、通常よりもお得な価格でGoogle Workspaceをご利用いただける場合があります。「まだWorkspaceを導入していない」「今のプランが自社に合っているか見直したい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

「まず話を聞いてみたい」というご相談から承っております。Google Workspaceを活かしきるための第一歩として、ぜひお気軽にお問い合わせください。

AIとなりの相談役の詳細・お問い合わせはこちら

https://corporate.as-campusclub.org/#contact

キャンパスクラブクリエイティブは、中小企業・団体向けにGoogle Workspaceを基盤とした業務改善コンサルティング(AI・GAS・運用改善の適材適所な組み合わせ)を提供しています。